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SLAM DUNK山王戦のネタバレ考察|流川のパスと桜木の最後のシュート

山王戦の最後に桜木花道が決めるのは、ジャンプシュートです。そこへボールを渡すのは、ずっと張り合ってきた流川楓。どちらか一人の見せ場で終わらず、流川が出し、桜木が決める形で試合が終わります。
湘北は79対78で山王工業に勝ちます。結果がわかっていても、そこへたどり着くまでに各選手が何を変えるのかを追うと、最後のパスの見え方が変わります。ここでは原作の山王戦と、試合後の結末までネタバレを含めて考えます。
山王戦は何巻? 通常版と新装再編版で番号が違う
山王戦の前後を読む範囲は、版によって異なります。
| 版 | 山王戦を読む範囲 | 選ぶときの目印 |
|---|---|---|
| ジャンプコミックス通常版・全31巻 | 25〜31巻 | 25巻は山王戦を前に湘北が決意を固める巻 |
| 新装再編版・全20巻 | 16〜20巻 | 16巻から、試合を迎える湘北と山王を追える |
集英社の通常版25巻と新装再編版16巻の紹介でも、それぞれの開始位置を確認できます。この記事の巻別購入リンクは新装再編版の番号です。通常版の続きとして探している場合は、巻数だけで選ばないようにしてください。
王者に引き離されてから、湘北はどう持ち直すのか
インターハイ2回戦の相手は秋田県代表の山王工業です。沢北栄治、河田雅史、深津一成らを相手に、湘北は前半を競り合います。しかし後半、山王のプレスでボール運びを崩され、点差が一気に開きます。
苦しいのは、失点だけでなく、普段なら頼れる選手が役割を果たせなくなることです。宮城はボールを運ぶ段階で追い込まれ、赤木は河田との対決で自信を揺さぶられる。湘北の攻撃が始まる前に、山王が優位を作ってしまいます。
そこから流れを変える仕事の一つが、桜木のオフェンスリバウンドです。一度シュートが外れても拾えれば、もう一度攻められる。点差そのものを一気に消すプレーではなくても、味方が失敗を恐れずに打てる状況を作ります。
リバウンドの意味を知ってから読むと、桜木が得点していない場面も試合の中心になります。三井のシュートが入る場面だけを抜き出すと見落とす、攻撃をつなぎ直す仕事です。
赤木、三井、宮城が引き受けるもの
赤木は全国の強豪と戦うことを目指してきた選手です。その舞台で河田に圧倒されるのは、目標へ近づいた喜びと、自分が届いていない現実が重なる経験でもあります。
そこで赤木が自分の対決だけにこだわれば、湘北の攻撃は狭くなる。味方を生かすプレーに戻ることが、チームの立て直しにつながります。長く全国を目指してきた主将が、仲間を頼る場面でもあるわけです。
三井は体力を消耗していても、シュートを任されます。疲れた選手をただ休ませることも、無限に走れる選手として扱うこともできない。残っている持ち味をどう使うかが、そのまま湘北の攻撃になります。
宮城には、山王の守備を抜けてボールを前へ運ぶ仕事がある。最後に得点する選手ほど目立たなくても、ここで止められればシュートにたどり着けません。山王戦を読み返すときは、シュートが決まる直前だけでなく、誰がそこまでボールを届けたのかも追いたくなります。
流川のパスは、沢北との一対一から始まっている
沢北との対決で、流川は自分の得点能力だけでは突破しきれない壁にぶつかります。そこへパスの選択が加わると、守る側は流川本人とボールの行き先の両方を考えなければならなくなる。
この変化を経て、最後に桜木へボールが渡ります。急に仲良くなったから出したパス、と説明するだけではもったいない。流川が試合の中で選択肢を広げたことと、桜木がシュートを任せられる場所にいることが、同じ瞬間につながっています。
パスを出しても、桜木が決めなければ湘北は勝てません。流川は勝負の最後を自分だけで完結させず、桜木に渡す。だから試合後のハイタッチには、長い会話がなくても、互いの働きを認めたことが表れるのだと思います。
桜木が最後に頼るのは、練習してきたシュート
桜木には、強い跳躍力と目立ちたがりの性格があります。それでも試合を決める場面で必要になるのは、練習を重ねたジャンプシュートです。
「左手はそえるだけ」という短い言葉が、フォームに意識を戻します。勝つための大演説をする余裕はないし、その場で新しい技を覚えるわけでもない。覚えた動きを、残された一回で出せるかどうか。その緊張が最後まで続きます。
終盤では説明が抑えられ、選手の目線、ボールの位置、体の向きからプレーを追う場面が続きます。読者も次の説明を待つより先に、ボールがどこへ行くのかを探すことになる。時間の短い攻防を、コマを追って長く体験させる描き方です。
最後のシュートを見てから、それまでの練習を思い返すと、桜木が退屈そうに向き合っていた基礎にも重さが出ます。派手なプレーへの憧れから始まった少年が、必要な一本を打てるようになった。その変化を試合結果と一緒に見届けられます。
背中の怪我と、勝利の先に残るもの
桜木は試合中に背中を負傷し、痛みを抱えたまま出場を続けます。安西も、その状態と交代の判断の間で揺れます。目の前の試合に懸けたい本人と、選手を預かる立場の迷いが同時に描かれる場面です。
湘北が勝っても怪我は消えず、桜木には療養とリハビリが待っています。試合の勢いだけで読むと通り過ぎそうですが、結末まで読むと、無理をして出場した代償も物語に残っていることがわかります。
さらに湘北は、次の愛和学院戦で敗れます。山王戦に勝つことと、全国大会で優勝することは別の結果です。だからこそ、最後の一本には、全国制覇を達成したという意味を後から足す必要がありません。あの試合で、あの5人が勝った。その事実だけで十分に大きい。
山王戦の前を読むと、最後の一本が変わる
山王戦だけを読み返すなら通常版25巻、新装再編版16巻から。初めて読むなら、桜木の入部から追う読み方を勧めます。流川への対抗心、赤木に教わるリバウンド、外してばかりのシュートが、終盤で別々に役立つからです。
最後のハイタッチだけでも二人の達成感は伝わります。ただ、普段は相手を認めたがらない二人だと知っていると、手を合わせる一瞬に説明が要らなくなる。その一瞬へ向けて、長い関係が積み重なっています。
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