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SLAM DUNK陵南練習試合から三井復帰まで|湘北に戻ってきた二人

陵南との練習試合では、桜木花道が初めて他校の選手と戦います。そのあと湘北へ戻ってくるのが、宮城リョータと三井寿。桜木がバスケを覚えていくそばで、すでにバスケを知っている二人にも、コートに戻るまでの事情があります。
とくに三井は、仲間を連れて体育館を荒らし、部を潰そうとする側です。そこから復帰へ向かうまでには、本人が隠してきた未練と、部に残った人たちの怒りがぶつかります。
この記事は原作の陵南練習試合から三井の復帰までを扱い、勝敗と復帰の経緯を含みます。新装再編版では3〜6巻が対象です。集英社の紹介では、3巻と4巻が陵南戦、5巻が宮城の帰還、6巻が三井の過去と復帰へ進む巻に当たります。
桜木が入っても、仙道には勝てない
陵南は前年度の県ベスト4。赤木剛憲と魚住純がゴール下で張り合い、流川楓は仙道彰に挑みます。桜木はまずベンチから、この試合を見ることになります。
桜木にとっては、出場できない時間も落ち着きません。自分なら活躍できると思っているのに、コートでは流川が点を取る。ところが赤木の負傷で出番が来ると、今度は緊張して思うように動けない。大口をたたいていた本人と、初めて試合に出る初心者の顔が、ここでははっきり分かれます。
それでも赤木に教わったリバウンドは役に立ちます。シュートを決める選手だけを見ていると、桜木の働きは目立ちにくい。しかし外れたボールを拾えば、湘北がもう一度攻められる。練習では地味に見えた仕事が、実際にチームの助けになるとわかる試合です。
終盤、桜木はレイアップを決め、湘北は勝利に手が届きそうになります。派手なダンクにこだわっていた桜木が、練習してきたシュートで得点する。その喜びを味わう間もなく、仙道が最後の攻撃を決め、湘北は86対87で敗れます。
仙道は湘北にリードされても慌てず、最後まで点を取る方法を探します。桜木が一つできるようになった直後に、まだ越えられない相手の力を見せられる結末です。
この時点の流川と桜木は、互いに相手を認めたがりません。それでも仙道を止めるためには一緒に守る。仲のよさとは別のところに、同じチームで戦う理由ができています。自分が目立つこと以上に、目の前の相手に負けたくない。その気持ちなら二人とも持っているのです。
宮城とは、バスケの前に話が合う
練習試合のあと、入院していた2年生の宮城が戻ります。もともと湘北でプレーしていたポイントガードで、ボールを運び、攻撃を組み立てる選手です。
桜木との出会いは穏やかではありません。互いに気が強く、すぐに衝突する。それが、宮城は彩子、桜木は晴子に片想いしているとわかると、急に距離が縮まります。バスケの目標を語り合って結ばれる友情とは違い、うまくいかない恋の話で意気投合するのが二人らしいところです。
宮城は小柄ですが、速いドリブルで相手を抜いていきます。桜木のように高さや跳躍力で驚かせる選手とは、得意なことが違う。湘北に戻ってきた一人の選手を通して、桜木にも、体の大きさだけでは測れない強さが見えてきます。
ただ、宮城の帰還と一緒に、三井との揉め事も体育館へ持ち込まれます。二人の喧嘩で終わるはずだったものが、バスケ部全体の活動を脅かす騒動になります。
三井の怪我が治っても、失った時間は埋まらない
三井は中学時代、県大会のMVPだった選手です。試合を諦めかけたときに安西から声をかけられ、その安西のもとでプレーするため湘北へ進学しました。入学時には、赤木よりも三井のほうが実績のある選手でした。
ところが左膝を痛め、治りきらないうちに練習へ戻って再び負傷します。その間、赤木は試合で力を発揮していく。三井がバスケ部へ来なくなるまでには、怪我だけでなく、同級生に先へ進まれる焦りも重なっています。(人物と負傷の経緯)
膝が治ってからも、三井は部へ戻りません。バスケへの関心を捨てたふりをしながら、今の湘北で期待される宮城を妬んでいる。離れたはずの部が気になって仕方がないから、体育館へ来てまでバスケを否定する必要があったのでしょう。
三井が連れてきた不良たちは部員を殴り、騒ぎは大きくなります。湘北の選手が反撃すれば、暴力沙汰として部の活動まで危うくなる。試合で強いかどうか以前に、試合に出られる場所そのものを守らなければならない状況です。
ここで水戸洋平たち桜木軍団が駆けつけます。彼らはバスケ部の選手ではありませんが、花道がそこで何をしているかは知っている。部の外にいる友人にも支えられて、桜木はバスケを続けています。
木暮が怒るのは、三井の夢を覚えているから
三井の過去を語るのは木暮公延です。赤木と同じように、入部当初の三井を知っている。三井がどんな選手だったかを明かすことで、桜木たちにとっては体育館を荒らす相手だった男の見え方が変わります。
それでも、昔は優秀だったという話で騒動が片づくわけではありません。三井がバスケを投げやりに扱うと、普段は温厚な木暮も怒る。木暮自身が部に残り、赤木と練習してきたからです。三井が一度は語った夢を、残った人たちは持ち続けていました。
三井のつらさに理由があることと、部員たちを傷つけてよいことはつながりません。木暮が迎え入れようとしながら怒りもぶつけるため、この場面には、戻る側だけでなく待っていた側の時間もあります。
安西が現れると、三井はようやく「バスケがしたいです」と口にします。自分の実力を誇る言葉でも、誰かを悪者にする言葉でもない。部を潰すと言っていた本人が、本当はその中へ戻りたかったと認める一言です。
戻ってきた三井は、これから借りを返していく
三井の復帰で、のちに湘北の中心となる5人がそろいます。赤木のゴール下、宮城の速さ、三井の外からのシュート、流川の得点力、桜木のリバウンド。攻撃の選び方も、相手への対抗手段も増えます。
ただし、顔ぶれがそろった日から完成したチームになるわけではありません。桜木はまだ基本を覚えている途中ですし、三井には長く練習を離れた体力面の不安があります。三井のシュートが入っても、休んでいた2年間が帳消しになるわけではない。その遅れは、その後の試合で本人が引き受けていきます。
陵南戦の桜木は、試合に出たからこそ、練習しなければ勝てない相手を知りました。三井は、もう一度練習する場所へ戻るために、まず自分の未練を認めなければならなかった。この時期の湘北を読むと、コートに立つまでにも、選手ごとに違う苦労があるとわかります。
戻った三井が何をしてくれるのか、桜木は仙道との距離をどこまで縮めるのか。インターハイ予選へ進む湘北には、試合の勝敗と一緒に確かめたいことが増えています。
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