本ページはプロモーションを含みます。

NARUTO -ナルト-

NARUTO波の国編の考察|再不斬と白の最期に残る「道具」への怒り

原作の対象巻を読む

NARUTO 1巻

対象: 1〜4巻

全巻まとめ買いの案内へ

白を失った再不斬が泣く。その涙を見て、ナルトは敵を倒しただけでは済まない場所へ踏み込みます。さっきまで自分たちを殺そうとしていた相手にも、失えば取り乱すほど大事な人がいた。波の国編で最も厳しいのは、そのことを白の死後に知る順序です。

この記事では通常のジャンプ・コミックス1〜4巻、ナルトの卒業から波の国の任務終了までを扱います。4巻の出版社紹介でも波の国編の完結が確認できます。再不斬と白の死、サスケの生存を含むネタバレがあります。

イルカに認められた少年と、再不斬に拾われた少年

ナルトは、人を困らせてでも自分を見てほしい少年として登場します。九尾を封じられた事情を知らず、理由の分からない敵意を向けられて育った。卒業をめぐる事件でイルカが身を挺して守るからこそ、額当ては試験に受かった証明以上のものになります。ナルト本人を見てくれる大人がいる、という手応えです。

波の国で出会う白にも、自分を必要とする相手との出会いがあります。血継限界のために家族を失い、行き場をなくした白を拾ったのが再不斬でした。白にとって、その人の役に立てることは生きる理由になっている。

ただし、二人の関係をナルトとイルカにそのまま重ねることはできません。イルカはナルトの未熟さや失敗を含めて教え子を守ります。白は、再不斬の役に立てなくなった自分には価値がないと思い詰める。必要とされる喜びが、役目を果たせないと生きていてはいけないという思い込みにまでつながっているのです。

森で素顔の白と会う場面を先に置く構成も効いています。仮面をつけて戦う敵が、ナルトにとってはすでに言葉を交わした相手になっている。正体が分かった瞬間、倒すべき敵という整理に、穏やかな会話の記憶が割り込みます。

鈴を奪う競争から、カカシを取り戻す連携へ

第七班の最初の試験では、鈴の数が足りないため、ナルト、サスケ、サクラは競争へ誘導されます。けれどもカカシが見ていたのは、仲間を切り捨てて自分だけ合格するかどうかでした。空腹のナルトに食事を分ける行動が、規則の表面に従うことより評価されます。

その判断が、波の国では実際の戦いになります。再不斬の水牢の術にカカシが捕らえられ、頼れる先生が動けなくなる。ここでナルトとサスケが使うのは、師匠を超える大技ではありません。風魔手裏剣と変化の術を組み合わせ、再不斬にカカシから手を離させる作戦です。

助け出す条件が明確だから、二人の連携を目で追いやすい。敵を倒せなくても、拘束を一瞬解けば状況を変えられる。上忍同士の戦いの中へ、下忍にもできる仕事を差し込む組み立てが、最初の本格戦闘を面白くしています。

木登りの修業では、今度はサクラがチャクラの扱いで先に成果を出します。実戦で派手に活躍する順番だけが三人の能力を決めない。この小さな逆転があるため、第七班はナルトとサスケだけで完成した組ではないと分かります。

復讐より先に動いたサスケの体

橋の上で白の魔鏡氷晶に閉じ込められた二人は、速い攻撃に追い詰められます。サスケは動きを見切り始めても、ナルトを守って千本を受け、倒れる。兄への復讐のために生きると言っていた少年が、その目的を遂げる前に仲間へ体を差し出してしまいます。

ここでサスケが長い理由を語らないのがいい。あらかじめ仲間のために死ぬと誓っていたわけではなく、目の前のナルトに反応した。その行動を見た後では、二人の口喧嘩も、ただ相手が嫌いだからしていたとは読めなくなります。

ナルトはサスケが死んだと思い、九尾のチャクラを噴き上がらせて白を追い詰めます。しかし、勝てるようになったことと、白を殺せることはつながりません。顔を知り、その生きる理由を聞いた相手に、とどめを刺す手が止まる。

サスケはこの戦いでは死んでおらず、後に意識を取り戻します。一方の白は、カカシの雷切から再不斬を守り、命を落とす。同じ「誰かをかばう」動きが二組に現れながら、片方では帰ってきた声を聞け、もう片方では二度と返事がない。この差が終盤の重さを作っています。

白を道具と呼ぶ言葉に、ガトーの態度が重なる

依頼主タズナが造る橋は、ガトーに経済を握られた国にとって、自分たちの暮らしを取り戻す手段です。依頼の危険を隠さなければ護衛を頼めないほど貧しい。その事情によって、第七班の任務は個人の腕試しから、仕事を買う側と売る側の関係へ広がります。

再不斬もまた、ガトーに雇われた忍です。任務に失敗すれば切り捨てられ、白の遺体まで踏みにじられる。白を道具として扱うと言っていた再不斬自身が、雇い主から同じように扱われている。このつながりが露わになってから、ナルトの怒りが届きます。

再不斬が最期にガトーへ向かう行動は、任務の成功では説明できません。報酬も将来も望めない体で、白への侮辱に応じているからです。白に感情を見せないまま来た男が、ようやくその大切さを表に出す。けれども白本人に聞かせるには、もう遅すぎる。

再不斬と白を美しい師弟関係として閉じると、ナルトが怒った理由を落としてしまいます。相手のために強くなりたい気持ちが、その相手のためなら自分を使い捨ててもよい、という生き方に変わってしまった。ナルトはその行き着く先を見届けました。

完成した橋にはナルトの名が残ります。第七班は任務を終え、国にも先へ進む道ができる。それでも橋の上にいた二人は戻らない。この任務の成功にこの喪失が刻まれているから、ナルトがこれからどんな忍になろうとするのかに、技の強さだけでは測れない関心が生まれます。

本ページはプロモーションを含みます。

この編を読むなら

電子書籍ストアやAmazonで、巻別購入・まとめ買いをチェック

全巻まとめ買い

NARUTO 全72巻まとめ買い

作品全体をそろえたい方はこちら。収録巻と版を各ストアでご確認ください。

※ 上記リンクから購入すると、サイト運営の支援になります。価格は各ストアにてご確認ください。